一億貯めるシンプルライフ

アルコールとカフェインをやめ、経済的自由を手に入れ、身軽に生きたい。

断酒キラーのかわし方

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いざ断酒をはじめた私だが、断酒には極めて不似合なコミュニティで生活している。二親等内のすべての家庭には業務用かと思うようなワインセラーがあり、兄弟は酒類の輸入商社でシニアソムリエまで持っている。ここは南イタリアかと思うほど、一族で集まっての夕食が多いが、その際にはレストランのようにワインの空き瓶が立ち並ぶ。マグナムボトルが一晩に何本も出る一般家庭は珍しいのではないだろうか。

一般企業に勤めているため、歓送迎会などの飲み会もあるし、業務の一環として参加する。

ここで問題になってくるのが断酒キラーをどうかわすか、である。断酒キラーには数パターンある。それぞれのパターンごとに、試行錯誤中ではあるが、自分の対応策を紹介したい。もっと洗練されたかわし方があれば、ぜひ教えてもらいたい。

  1. 共同体の敵認定する人(職場に多い)
  2. 抜け駆けを許さない人(職場に多い)
  3. 本当に一緒に飲みたがっている近しい人(もっぱら家庭やプライベートにいる)
  4. 全パターンに共通して「断酒している」とは言わないほうがいい

1.共同体の敵と見なす人には、「本当は飲みたい」オーラ全開に

職場によくいる、一杯目の生ビールを断ると表情が変わるタイプが、まさにこれにあたる。皆で飲みに行き、皆で酔っ払い、皆が失言し、皆が記憶をなくすこと、この体験を共有することが重要なので、飲めない/飲まないことは、彼らの人格否定に当たるのだ。

理解はできる。昔、その気持ちのひとかけらぐらいは持っていた時期があるからだ。

しかしそこで相手に流されていては、一生アルコールのない世界には行けない。彼ら/彼女らへの対処方法として今のところ最も許されるパターンが多いのが

「もう飲みたくて仕方がないけどドクターストップされている。
 飲めるようになったら浴びるように飲むから一緒に行きましょう!」

だ。まず相手の価値観、世界に自分もいることをアピールする。大丈夫、以前はそちらの世界にいたので説得力も実感もある。そして、飲めない時期が一時的であることを匂わせる。年季の入った酒飲みは大抵の場合、医学的な事情で飲めない時期があったりするから理解される可能性が高い。そして、できるだけ他のメンバーが飲んでいる酒と似たように見えるもの(ビールならジンジャーエール、焼酎なら氷水)を同じペースで口に運びながら、同じテンションで騒ぐ。不思議なことに、皆と同じペースで注文することもポイントなのだ。できる限り、同化する。

上記のようにかわしつつ、だんだんと飲み会自体から遠ざかっていく計画だ。そのうち、とか、いつか、とか、便利な日本語を多用する。

2.抜け駆けを許さない人には、「甘いもの食べ過ぎで太っちゃって」別方面自虐

酒をよく飲み、体重やその他の数値に問題を抱えている人は、ひとり酒をやめて健康に向けて抜け駆けする人間を許さない。このタイプの見分け方は「一杯くらいいいんじゃないの」という一言でわかる。

その1杯からずるずると泥沼に引き戻そうという魂胆は極めて合理的だ。

このタイプには、自分まだまだ不健康でして、酒を飲まなくなったら今度は糖分中毒ですよというアピールがけっこう効く。最近は炭水化物をとらないダイエットが流行っているので、逆に炭水化物への欲求が激しい、という話でもいいかもしれない。

メニューのデザートが気になって仕方ないと言い(実際にオーダーして完食すべし)、揚げ物や粉ものなど、太りそうなものをせっせと食べる。すると、このタイプの断酒キラーは少し安心してくれる。大丈夫、まだ不健康だ。ぜひ体重の増加について盛り上がろう。

3.愛すべき酒飲みには、美味しいつまみを出して、自分も楽しむ

 断酒して最も心苦しいのは、酒が好きな家族や恋人とのディナーだろう。しかし、大丈夫だ。美味しいつまみを買うなり作るなりして、それに合う酒も吟味し、一緒にディナーの席につき乾杯しよう。ただし自分にはノンアルコールドリンクで。

酒を飲む彼ら/彼女らを愛していることが伝われば、大きな問題は起こらない。彼ら/彼女らが酔っぱらってきて、こちらのグラスの中身に意識が行かなくなれば、さらに事態は簡単になる。

新しいワインを開けるタイミングだけは注意して、自分のグラスを満杯状態にしてあればなお良い。カラだと「せっかくだから一杯飲まない?」と誘われるからである。

 4.全パターンに共通「断酒している」とは言わないほうがいい

ここまでの全パターンに共通だが、なぜか「断酒した」という言葉は、酒飲みを人格否定する言葉なのだ。

断酒して数週間、数か月たった頃は、達成感というか成功体験というか、とにかく飲まなくなった自分を褒めたい。また、褒めてほしいので、つい断酒したと言いたくなるのだが、それは絶対に避けたほうがいい。

これは人それぞれだが、私は人に言いたくなるたびに、自分でこう言い聞かせている。

本当に達成したい目標は、人には言わないものだろう?
一億貯めることも、もちろん大っぴらには言ってないじゃないか!

あの歌手もそう言えば歌っていた。

『必ず手に入れたいものは 誰にも知られたくない』

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